| 喘息をよくし治すために(165) | ||||||
| 喘息大学学長 清水 巍 | ||||||
| 165. 今年の学会から つい先日、10月20日(木)から23日(金)まで、第55回日本アレルギー学会が岩手県の盛岡市で開催されました。駅前にあるマリオスという会館、ホテルを中心に行われました。すぐ近くには右側の写真の北上川が流れ、岩手山を綺麗に見ることができました。 主な新情報を紹介します。第1は会長講演です。皆さんも酸素飽和度測定器というのを見たことがおありでしょう。人差し指などを突っ込んでつめの所から酸素と結合しているヘモグロビンの%を測定するものです。中には実際に測定したことのある人もおられるでありましょう。脈拍数と共に簡単に測定でき、取り外しも簡単です。98%以上が全く正常で、97、96〜90と下がってくれば酸素と結合できていないヘモグロビンが多いのです。これまでは、動脈血を肘動脈や大腿動脈に穿刺して、採血し測定しなければならなかったのですから、今は便利で助かります。 これを息こらえ20秒して、どんな角度で数値が下がるか、連続的に記録をとる簡便で高くない装置を開発中とのことでした。それによって、末梢気道の具合の悪さやリモデリングの程度も判定しようというものです。安静時だと95%以上の人が多いのですが、息こらえをすると、馬脚が現れ、予備力のない人はどんどん下がるというのです。これで、喘息の改善度なども判定しやすくなる可能性が出てくるかもしれません。
第2は小児喘息喘息の治療・管理ガイドラインが改訂され、11月19日に発表、発売される予定ですが、その概要が(最終稿ではないけども)明らかにされてきたということです。小児の喘息発作の場合には、1時間に何回か気管支拡張剤の吸入を、病院や診療所内の管理下で試み、その上で改善の度合いを見て今後の治療法を決めるとか、テオフィリン剤の使用、ステロイド吸入の使用などについて改訂があるようです。詳しくは12月号のこの欄で紹介します。小児へのテオフィリン剤は2才未満(乳幼児)までは使用しない方がよいとされるようです。熱性けいれんやてんかんのあるお子さんに投与した場合、副作用が強く出ることがあるし、2才になるまで様子を見てから、使う場合には使うとか、発熱時や気道感染時には減らすとか(成人喘息では違います)、小児では慎重にすべきということになりました。 第3は、「妊婦の治療」についてシンポジウムが持たれたということです。NIH(米国立衛生研究所)による「妊娠中の喘息管理・薬物療法ガイド」2004年改訂版が日本語訳となり出版されました。それに基づく討論が、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎の場合についてや、アレルギー乳児、出生後のアレルギー疾患発生リスクについて行われました。妊娠3週目までは抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を飲んでいても中止し、妊娠が継続していれば心配なく、4ヶ月半ば以降に必要なら使う、蒸しタオルで温熱吸入療法するのは効果があり安全とか、減感作療法の維持療法なら大丈夫とされていました。喘息もパルミコートの安全は保証されているが、少量がよいとか、テオフィリンは安全とされていました。ピュアな喘息FAQでやがて詳しく追加します。 第4は、シックハウス症候群についてです。パニック障害を起こす人たちの中ではよく調べるとホルムアルデヒドやトルエンなどの影響でなる人が80%いると報告されていました。 その他にセレタイドというフルタイドとセレベントの合剤がやがて使用できるようになり、二つを吸入するよりも合剤の方が効果が上がるとか、小児及び成人の長期寛解の因子について討論されました。その中味は、金沢での基本講習会や関東交流会などで直接紹介させて頂きます。 石川啄木は肺結核で26才で亡くなりました。啄木との出会いの道を歩いたり、岩手公園の歌碑を見ながら、肺結核で死ぬことが少なくなった時代が来たのですから、喘息が克服できる日が遠からず来ると確信を深め、帰ってきました。皆様と共にその日を迎えましょう。 |
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